
地域と大学生がまちの未来をともにつくる
片山津という街には、様々な顔があります。モダンな一角、寂れきっている一角、温泉地の街並み、柴山潟、ユニークな歴史…etc. 消滅可能性都市として失われようとしているこの街の魅力を地域全体での映画づくりを通して再認識し、若い世代を中心に地域を盛り上げるきっかけになれればと思います。
加賀の皆さんにオンラインでそれぞれの街の魅力をお伝えいただく中で、加賀はたくさんの可能性がある街だなと感じました。
僕が興味を持った点は主に3つありました。
1つ目は、片山津の歴史。山代・山中に比べて歴史の浅い片山津には、浅いながらにも濃密な歴史があり、空き地が目立ったり、廃業旅館がいまだに残っているなど、歴史が街並みに足跡を残しているようでとても面白いなと興味を持ちました。また、リモートを通しても街並みのおもしろさが伝わり、片山津という街に一目惚れでした。
2つ目は、魚行商。魚行商さんは、その日とれた新鮮な魚をトラックで各地域を巡って売りあるく、という仕組み。加賀で古くから営業されているものの、その仕組みには今の時代だからこそ感じられる新しさがあるなと感じました。最近ビジネス界でもトレンドになっているMaaS(Mobility as a Service)とは、移動手段と情報通信技術を掛け合わせた最新のビジネスのこと。加賀で古くから伝わる魚行商にも、スマホなどのテクノロジーを組み合わせるだけで先進的なビジネスに生まれ変わる可能性を感じました。
3つ目は、地域の境界を越えるお仕事をされている方々。オンラインフィールドワークで各地域の方のお話を聞いてる中で皆さんおっしゃってたのが、「地域間のつながりが薄い」ということ。なら、地域を越えて仕事をされている酒屋さんや、魚行商さんの目線で加賀という街を見たら、何かその問題を解決するヒントが得られるのではないかと興味を持ちました。
秋のフィールドワークでは、加賀への初訪問だったこともあり、幅広い地域や様々なイベントに足を運ばせていただきました。その中で印象的だったのが、加賀にはユニークな活動を楽しそうにされている方が多いということ。その一方で、たくさんのイベントに参加する中では、イベントに参加するメンバーが固定されていて新しくイベントに参加する方が少ないのでは、という疑問も生まれました。
一目惚れした街、片山津の街並みを眺めながら物思いに耽っている時に楽しそうな加賀の人々の顔を思い出して、ふと映画を作りたいと思いました。演劇の脚本を書いたり、映画や舞台に出演している中で僕はずっとずっと映画を作ってみたいという野望がありました。
そこから、加賀のユニークな方々に出演いただくこと。そして、今までイベントに足を運んでいなかったような方々にも参加していただくこと。地域の高校生を巻き込んで地域の魅力を知るきっかけになること…。
地域の方々を楽しませながら力にもなれることをするべく、このプロジェクトが決まりました。
再び片山津の街に通いながら、題材にしたい景色をリストアップ、歴史をもっと深く学んだり、片山津の表現したい魅力を考えながら脚本を書き、まずは自分ひとりでパイロット版のような、予告編のようなものを作ろうと思います。2月のワークショップでの公開を目指します!
その上で改めて地域の皆さんに自分のやりたいことを発表して、連携を取らせていただければと思います。