地域と大学生がまちの未来をともにつくる

 

地域と大学生がまちの未来をともにつくる

 

大学生の加賀市での活動

キャンプ(広場)のあるまち「片山津スローナイト・シネマ」

1期生 | 早稲田大学卒 | 三木つばさ
1期生
 

プロジェクト概要

加賀市ではパワフルな地元の人がたくさんいるにもかかわらず、街中で地元の人を見かけることは少なく、使われていないまま放置されている広場がたくさん見られます。人口減少は急には解決できないけれど、今いるひとが外に出るようになってにぎやかな風景が生まれるといいなという思いから、地元の人がゆったりと広場に集う野外シネマイベント「片山津スローナイト」を企画しました。


主催学生から


プロジェクト背景と経緯

人口が少ない加賀市ではやはり、まちを歩いたり車で走っているときになかなか人の姿が見られずさみしい印象を受けます。一方で、地元の人々と出会う場はいつでもエネルギーに溢れていて、消滅可能性都市と言われているのが信じられないほど元気なまちに思えます。

人が集まっている景色や、いつ来ても誰かしらの気配を感じるような場所を加賀市のまちなかにつくることで、地元の人たちが通りすがりにその景色を見て地元のエネルギーを感じられるようにするということができるといいなと思ったのがこのプロジェクトのきっかけです。

実際にどのくらい放置されている広場があるのか見るために、片山津をケースに、「ぬくモビ」に乗って広場や空き地をすべてまわってみると、半壊した遊具がある公園や、雑草が大量に茂っている広場や空き地がたくさん見られました。

また、片山津を中心に加賀市のさまざまな場で活躍する山口美幸さんや若手イラストレーターの鮒池涼香さんにヒアリングした際も、広場をにぎやかに変えるということはあまり現実的に思っていないようでした。

そこで第一歩として、日常的に広場等に集うことがまちにゆたかな風景をつくる、ということを加賀市の人たちに知ってもらうためにイベントを企画しました。


プロジェクト実践

当初は、家具を持ち寄り広場でリビングのように過ごす、地元の人を対象とした実験的なイベント「ポットラック プラザデー」を行うということを計画していました。場所は、人通りが多いにもかかわらず存在感が少ないという理由で、片山津温泉の足湯の斜向いの広場を選びました。

イベントの準備や打ち合わせには、山口美幸さんを中心に様々な立場の方々にご協力いただきました。打ち合わせの中で、地域の人は夏は祭りで大忙しでイベントに能動的に参加する余裕がないのでとにかくそういった人たちを癒やすようなイベントにする方が人が集まるだろうとアドバイスをいただき、「夜にリビングでごろごろしながら映画を観る」を広場でする、という内容に変更し、イベント名は「片山津スローナイト」に変更しました。

当日は、キャンプ椅子や人工芝マットなどのごろごろできるしつらえや、お祭りや日常の風景を忘れてしまうような雰囲気づくりのほかに、片山津エリアの飲食店7店舗のメニューをその場で販売または電話でデリバリーできるように用意し、上映が終了したころに柴山潟の花火が上がる時間に設定して「ローマの休日」を上映しました。

合計で30人ほどの方にお越しいただき、「加賀でこんなにいい雰囲気のイベントができるとは思わなかった」「子供もある程度遊んでOKなゆるい空間でひさびさにゆっくりできた」などのメッセージをいただくことができました。

このプロジェクトのその後の展開はまだできておりません。個人的な話になってしまいますがその後大学で景観デザインの研究室に所属し、卒業研究として東京都内で放置されている広場のリデザインの提案をしました。その中で、まちの中の広場が持つ役割は、都会でも地方でも、そのまちに住む人やそのまちに通う人に求められているものに設定する必要があり、意思決定や維持管理に使い手を巻き込むことこそが皆に長く愛されるデザインにつながると痛感しました。

加賀市では人口の少ないことを逆に「使い手が見えやすい」と捉えることもできます。そのため、広場をデザインする際の意思決定の場に参加してもらうなどのすこしの手順を踏むことで、使い手に寄り添ったものや長く世話され愛されるような場がデザインしやすいのではないかと思っています。そしてこれが2016年度にプラスカガのテーマとして掲げられていた「人口減少というマイナスをプラスに考え直す」という視点がぴったり当てはまっていることに、とてもわくわくします。

「広場のあるまち」プロジェクトとして一回きりのイベント開催で止まってしまっていることを歯がゆく思っているので、もうすこし勉強して、第二歩目になにができるか模索していこうと思っています。


地域の声

https://pluskaga.org/wp-content/s/original

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